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該当ページ | 意 見 ・ 提 言 |
①P6 第1節 計画策定の趣旨 ②P8 第1節 那須塩原市を取り巻く状況と課題 ③P20 基本政策 ④P116 創意と協働によるまちづくり ⑤構成全般 放射能対対策の強化に関する具体的な施策について 数値目標 放射性物質汚染対処特別措置法との関係 | 「前期基本計画の策定から5年が経過し、少子高齢化のさらなる進行、社会経済情勢の変化、分権への対応など新たな課題が生じており、新たな視点での取り組みが求められています。」とあるが、福島第一原子力発電所事故による放射能汚染については、これらの従前からある課題よりも、緊急に対応すべき新たな課題であり、例示に加えることで、市が放射能対策に積極的に取り組んでいくことを明らかにすべきである。 また、特に本市の未来を担う子どもたちは、放射能に対する感受性が大人に比べて高いといわれており、県境によって、放射能による子どもの健康被害に差異がでるというような悲しい未来に間違ってもならないよう「子どもたちを放射能から守ることを最優先課題」として明記すべきである。 「東京電力福島第一原子力発電所の事故は、放射能汚染や風評被害を本市においても引き起こしています。こうした中、市民の安全や安心への意識は高まり、災害に強いまちづくりが求められています。」とあり、放射能汚染に言及していることは評価できるが、市民が求めているものは、具体的な除染や食品検査等の放射能対策である。そのため「災害に強い町づくり」を目指すのであるならば、「早急な放射能対策」について追記すべきである。 施策体系を「まちづくりの基本理念」「将来像」「基本政策」「基本施策」の4階層に整理する中で、放射能対策が基本施策の「災害に対する備えの強化と生活安全確保」の一項目として整理されているが、放射能対策は、今市民が一番実施してほしい政策のひとつであり、基本政策レベルで頭出しすべきである。 市が積極的に放射能対策を打ち出すことが、風評被害を助長するとの考えもあるが、様々なメディアが本市における放射能汚染を報道する中で、もはや黙っていれば、そのうち風評被害は去っていくという状況では決してない。 本計画により積極的な放射能対策を市内外に発信し、本市が真に安全安心な地域を目指していることを証明すべきである。また様々な対策の実施状況を市内外に周知させることにより安全な農産物であることがPRでき、消費者の信頼を得ることにもつながるため、風評被害防止の有効な対策になる。 放射能対策は一過性のものではなく長い年月をかけて実施しなくてはならないものであり、予算的にも人員的にも行政(市)だけで到底実施出来うるものではなく、広く市民の声を聞きながら、市民と協働してのみ成し得るものと考える。 特に住宅等私有地の除染については、土地所有者である市民等の協力なくては、実施が不可能である。 また、仮置き場の問題も市単独で解決できる問題ではない。 目指すべき方向「協働によるまちづくり」に、協働による放射能対策の強化を追記し、協働による除染活動等を積極的に推進すべきである。 放射能対策については「第一次那須塩原市総合計画基本構想」策定時には、想定さえされていない課題であったことから、本後期基本計画の施策体系に新たに組み入れることが難しいことは理解できる。 このため、素案で示されているように、重点的な取り組みを個別に記載することは、市民にも理解しやすく評価できる。 ただし、「放射能対策事業」という単語のみの表記ではなく、最重要課題として、本編と同様に「現状」「課題」を整理したうえで、「目指すべき方向」「基本施策・目標指標」「具体的な施策・目標値」というような、より具体的な内容とすべきである。 そうすることで、市民の本市の放射能汚染の現状への理解が進むとともに、目標が明確になることで、放射能対策における市民の協力も得やすくなると考える。 本会が考える今後5年間で市が実施すべき具体的な施策は、以下のとおりである。 ○目指すべき方向① 外部被ばく対策の強化 □具体的な施策 ☆空間線量の継続的なモニタリング及び結果の公表 ☆除染実施計画に基づく除染の推進 なお、子どもの外部被ばくの大半は、家庭(自宅)生活の中 で起こっており、子どもの被ばく量を低減させるためには、「 家庭の除染」が大変効果的である。このため「線量計の貸し出 し」を「家庭における放射能の見える化」と位置づけ、次のス テップとして、「家庭の除染」を実施すべきである。 除染作業全般にいえることだが、除染の実施にあたっては、 市民と十分話し合ったうえで、行政が実施する部分と市民が担 う部分を明確にすべきである。 ○目指すべき方向② 内部被ばく対策の強化 □具体的な施策 ☆食品検査(流通品・非流通品・給食等) ☆健康調査(ホールボディカウンターによる被ばく量調査、 エコーによる甲状腺調査、尿・母乳検査等) なお、食品検査及び健康調査については、統計的データを公 表することで、市民の不安解消にもつながる。 ○目指すべき方向③ 放射能に対する市民理解の促進 □具体的な施策 ☆講演会・勉強会・出前講座等の開催による市民理解の促進 なお、本市においては、農畜産業や観光業等、風評被害に悩 まされている職業の方々が多いこともあり、放射能について気 軽に話し合える環境が生まれにくい状況にある。 このことが、家庭や学校という子どもの生活エリアでの被ば く量の低減という一見すると合意形成が簡単に思える取組を著 しく困難にしている。 このため、立場の違う市民(農畜産業者・観光業者・消費者 等)の相互理解や合意形成を目指し、多様な意見を持つ市民同士の対話や意見交換の場を積極的に設けるべきである。 ☆線量計等の貸し出しによる身近な放射線量の把握の促進 なお、線量計の貸し出しについては、測定結果自体が貴重な データであることから、統計的にまとめて公表すべきである。 ○目指すべき方向④ 学校(幼稚園保育園含む)生活による被ばく量の低減 □具体的な施策 ☆通学路における外部被ばく線量の把握及び除染等による低 減 ☆校内の除染による外部被ばく線量の低減 ☆校外学習環境の再考による外部被ばく線量の低減 ☆給食食材の独自基準設定による内部被ばく量の低減 ☆給食食材の検査及び結果の公表による父兄の不安解消 素案では残念ながら1項目しか記載されていない「放射能対策の強化」でさえ、目標値が設定されていないが、例えば「空間線量モニタリング」であればモニタリング箇所数、「除染実施計画の基づく除染」であれば市内の空間線量値、「食品検査」であれば検体数、「講演会等の開催」であれば、開催回数等のように、個別具体的な数値目標を掲げるべきである。 放射性物質汚染対処特措法が1月1日から完全施行され、行政による本格的な除染実施が期待されるところであり、国から明確なスキームが示されていないという事情は理解できるものの、本計画において本特措法に基づく「除染実施計画」の策定について全く触れられていないことは、市が「除染」に対して消極的にあるように見える。 市の姿勢を明らかにするためにも、「除染実施計画」に基づく「除染」を最重点施策と位置付け、積極的に「除染」を実施することを明記すべきである。 |