以下、下野新聞記事転載。
東京電力福島第1原発事故に伴い、今も子どもの外部、内部被ばくが不安-。幼児を持つ那須塩原、那須両市町の約2200世帯のうち、85%程度がこう回答したアンケート結果を15日、宇都宮大「福島乳幼児・妊産婦支援プロジェクト」が公表し、不安の根深さを浮き彫りにした。
一方、原発事故の「子ども・被災者支援法」については「聞いたことがない」が約71%を占め、「目に見える支援が届いていない表れ」と分析した。
アンケートは8~10月、両市町全42保育園・幼稚園中、38園に子どもを通わせる世帯を対象とした。回答者の大半は女性で回収率は約68%。東日本大震災の被害は続いており、支援ニーズが存在することや、その内容を明らかにする目的だ。同大で開かれた報告会で発表した。
空間からの外部被ばくを防ぐ市町の住宅除染について「利用した」「今後利用」が計約41%、約29%が「予定なし」。未利用理由は「自宅線量が分からない」「除染が必要な線量ではないと判断」など。「事業を知らなかった」が約17%だった。
飲食物による内部被ばくを調べる市町のホールボディーカウンター(WBC)検査は、子どもや大人が「利用した」「今後利用」を合わせ約47%、「予定なし」が約37%。未利用は「結果の評価方法が分からない」「日時の都合がつかない」「被ばくについて考えるとストレス」といった理由だ。「事業を知らなかった」が約15%。
WBC検査後の健康不安は「大きくなった」「変わらない」が計約56%に上った。「将来影響が出るかも知れない」との思いがあるとみられ、清水奈名子准教授は「住民の安心を得るため、福島県と同様に継続的な健康調査が必要」と訴えた。
下野新聞記事リンク:http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/top/news/20131216/1444184